日暮れの気配が濃くなってきた夕暮れ時、大好きなカメラと三脚を抱えて、福岡・糸島の二見ヶ浦へ行ってきました。
お昼のにぎやかな青い海も素敵ですが、私が一番惹かれるのは、空の色が刻一刻と移り変わっていくこの黄昏の時間帯。
水平線の向こうへゆっくりと沈んでいく夕日を見つめていると、日々の慌ただしさがすーっと溶けていくような、不思議な安心感に包まれます。
腰を下ろして、三脚をしっかり立てて準備を始めました。
今回の撮影は、濃いNDフィルターをレンズに装着しての長秒露光。
シャッターを開けておく時間は、じっくりと3分間(180秒)です。
ざざんと打ち寄せては引いていく波、遠くで寄り添う夫婦岩、そして海の中に静かに佇む白い鳥居。
カメラのレリーズを押してからの3分間は、ただ波の音を聞きながら、空の青とオレンジが混ざり合うグラデーションを眺めていました。
ファインダー越しではない海を肌で感じるこの待ち時間も、長秒露光ならではの贅沢なひとときです。
シャッターが静かに閉じて、背面液晶に浮かび上がった景色を見た瞬間、思わず「わあ……」と小さく声がこぼれてしまいました。
寄せては返すはずの白波が、3分という時間を重ねたことで、まるで一枚のシルクのように滑らかで静かな水面へと変わっていました。
夕日の光が水面にやさしい一筋の道を伸ばし、手前にごろごろと転がる黒い丸石たちの濡れた質感までもが、しっとりと落ち着いた陰影を描き出しています。
肉眼で見ている世界とはまた少し違う、時間が止まったかのような静寂の世界。
空の紫と藍色の深まりの中に、ほんのり残る太陽の温もりが溶け込んでいて、ずっと眺めていたくなる一枚になりました。
心はぽかぽかと満たされた帰り道。
また季節や潮の満ち引きが変わる頃に、この穏やかな海に会いに来たいと思います。



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